ホラーのカリスマ スペシャルトーク1 _ ホラーのカリスマ・スペシャルトーク | ホラー番長

■ ホラーのカリスマ スペシャルトーク1

去る10月30(日)渋谷ユーロスペースにて
『ソドムの市』スペシャルトークベント"ホラーのカリスマ対談"と題し、
Jホラー界の黄金のツートップ、高橋洋、黒沢清両氏と、紅一点小嶺麗奈さんをおむかえして、
作品上映後少ない時間ながら、むせ返るような熱気の中満員の来場者によって迎えられた。

トーク会場にやってきました高橋。
ヒロイン、テレーズ役の小嶺麗奈さん。
でもって黒沢さんです。
さてトークショーの始まり、

 小嶺「もの凄い湿気です。」 の第一声、本当に熱気ムンムンでした。
 高橋「とにかく今日のポイントは黒沢さんが『ソドム』をどう見たかだ」 と前振り。

場内に早くも笑いが、
黒沢「いやあ、これだけ自分の撮りたい画だけで作った映画なんて久しぶりに見た」
どうも意外に好印象らしいぞ。

 でも本当は呆れてるんじゃないのか?
やや緊張気味の小嶺さん。

『回路』を見てやたら怖かったそうです。
黒沢「すがすがしい映画だった」
という感想に驚く高橋。
西山洋市も同じことを言っていたのだ。

でもそう簡単に本心を言う人じゃないぞ、黒沢さんは。
幽霊描写をめぐって議論。

黒「えーと、幽霊ってどこに出てましたっけ?」
 高「出てたでしょう! 全員グンゼを着た人たちが(=通称グンゼ隊)」
黒「ああ。あれは確かに幽霊だ。」 

まあ、要するに『回路』で極めつくされた幽霊表現の後にやることは"破壊"だ!!...
ということです。

役を自分の中に降ろす、巫女的な役作りの苦労について語る小嶺さん。

黒沢「そんな大変なことやってるんですか」 
と身もふたもないリアクション。

 黒沢さんってそういう人です。
ガンアクション には人一倍うるさい黒沢さんですが、
テレーズのモーゼルの構え方はバッチリ決まってたとお墨付き。

 黒沢「圧倒的に正しいことをやってる人に見えた。」
炎をバックにしたテレーズのトンでもない演技について、

黒「ああいう芝居をするときって何を考えているんですか?」 と素朴な質問。 

もちろん小嶺さんはクソ真面目にやってくれたのです。
黒沢さん、この場面えらく気に入ったようです。
立ち見も出た満員盛況の客席。

確かにもの凄い湿度でした。
黒沢「作家性の強い映画だ」 という指摘に対して、 
いや、自分が考えてもいなかったことが次々に起こった現場だったと高橋。 

ソドム一味兼特撮担当近藤の常識では考えられない失敗話を披露、場内大爆笑。 
(知りたい方はソドムの市公式サイト早わかり1の「 チャプター・ウンチク」を、)
観客の好反応に小嶺さん、すごく嬉しそうでした。
小嶺「自分に子供ができたら見せたい映画」 との発言に高橋、 大いに感激。 

そうです、『ソドム』はこれから映画を作ろうと思う子供たちに見せたい映画なのです。
ということでトークも終わって、お疲れの小嶺さん。
いやはや大変な人出でした。
駆けつけたソドム・スタッフ。 

手前からソドムをはねた運転手役の木田、撮影の小暮、そして編集の石谷。 
(+清水崇、安里麻里は栄えある美学校一期の同期生なのです。)
事務所に戻ってやれやれの3人。
+お出迎えの影のプロデューサー堀越謙三氏(足のみ)
で、この後の飲み会で、小嶺さんは名古屋に舞台挨拶に行く!と爆弾発言。 
ソドム一味名古屋行きが決まりました。

いやあ、小嶺さん乗ってるぞ。

大盛況の中、無事終了。黒沢監督は、自身の作品("ミイラ女"物)で、
男女の愛の物語に正面から取り組んだと明かしてくれた。
その言を受けた高橋氏は「愛なぞ信じられない。信じられるのは欲望だけだ!」
と高橋語録を披露してくれた。蓋し名言である。

(本文:高橋洋、写真/構成:近藤聖治)